高額療養費 計算 2026年8月〜(70歳未満の自己負担限度額)
1か月の医療費が高額になったときに、自己負担がいくらで止まり、いくら払い戻されるかの目安を計算します(会社員などの健康保険に入っている70歳未満の人)。
答え: 2026年8月診療分から、70歳未満の月の上限額はすべての区分で上がりました。年収約370万〜約770万円(区分ウ)は 85,800円+(医療費−286,000円)×1%(7月までは 80,100円+(医療費−267,000円)×1%)。医療費100万円なら上限は92,940円で、見直し前より5,510円多くなります。8月から翌年7月までの「年間上限」(区分ウは53万円)も新しくできました。
最終確認: 2026年10月20日
高額療養費とは
医療機関や薬局の窓口で支払った医療費が、1か月(1日〜月末)で上限額を超えたときに、超えた分が健康保険から支給される制度です。上限額(自己負担限度額)は、年齢と所得で決まります。例えば2026年8月からは、70歳未満・年収約370万〜約510万円の人(区分ウに当たります)が医療費100万円の治療を受けた場合、自己負担は約9.3万円(92,940円)で止まります。
マイナ保険証を使うか、事前に「限度額適用認定証」を受け取って窓口で示せば、同じ医療機関で上限額を超える場合に、窓口での支払いがはじめから上限額までになります。
2026年8月からの変更点
- 月の上限額の引き上げ: すべての区分で上がりました(下の表)
- 多数回該当は据え置き: 直近12か月に3か月以上該当した場合の4か月目以降の額は変わりません
- 年間上限の新設: 8月から翌年7月までの自己負担の合計が年間の上限額に達すると、それ以上の分は払い戻されます
2026年8月診療分からの額は次のとおりです。
| 区分 | 月の上限額 | 多数回該当 | 年間上限 |
|---|---|---|---|
| ア | 270,300円 +(医療費−901,000円)×1% | 140,100円 | 168万円 |
| イ | 179,100円 +(医療費−597,000円)×1% | 93,000円 | 111万円 |
| ウ | 85,800円 +(医療費−286,000円)×1% | 44,400円 | 53万円 |
| エ | 61,500円 | 44,400円 | 53万円※ |
| オ | 36,900円 | 24,600円 | 29万円 |
見直し前(2026年7月まで)の月の上限額は、ア 252,600円+(医療費−842,000円)×1%、イ 167,400円+(医療費−558,000円)×1%、ウ 80,100円+(医療費−267,000円)×1%、エ 57,600円、オ 35,400円でした。多数回該当の額は見直し前と同じです。
2027年(令和9年)8月からは、所得区分をさらに細かく分ける見直しが予定されています。このツールは2026年8月〜2027年7月の額で計算します。
計算式の詳細
月の上限額
区分ウ: 85,800円 +(医療費の総額 − 286,000円)× 1%
医療費の総額が286,000円以下なら85,800円です。1%の部分に1円未満の端数があれば、50銭未満は切り捨て、50銭以上は1円に切り上げます(健康保険法施行令第42条)。区分ア・イも同じ形で、区分エ・オは定額です。
払い戻し(高額療養費)の目安
払い戻しの目安 = 窓口負担(医療費の総額 × 負担割合)− 月の上限額
計算例(厚生労働省の資料の例。年収約370万〜約510万円・3割負担)
- 医療費100万円: 85,800円+(1,000,000円−286,000円)×1% = 92,940円(窓口負担30万円のうち、約20.7万円が払い戻し)
- 医療費200万円: 85,800円+(2,000,000円−286,000円)×1% = 102,940円
- 医療費300万円: 85,800円+(3,000,000円−286,000円)×1% = 112,940円
見直し前の式では、医療費100万円で 80,100円+(1,000,000円−267,000円)×1% = 87,430円で、2026年8月からは5,510円多くなります。
よくある質問
「1か月」とはいつからいつまでですか
ひと月(月の初めから終わりまで)ごとに計算します。月をまたいで治療を受けた場合も、月ごとの自己負担で上限額を超えたかを見ます。
年間上限はどう使いますか
8月から翌年7月までの12か月の自己負担の合計が年間上限に達すると、それ以上の分は加入している健康保険から払い戻されます。月の上限額に届かない月の自己負担も合計に入るので、毎月の上限に届かない長期の治療でも、年間上限に達すればそれ以上の負担は要りません。12か月分の合計で判定するため、このツールの1か月の結果だけでは判定できません。毎月の自己負担を記録しておくと確かめやすくなります。
差額ベッド代や入院中の食事代は含まれますか
含まれません。対象は保険が使える診療の自己負担で、入院中の食費・居住費、差額ベッド代、先進医療にかかる費用などは対象外です。「医療費の総額」には保険が使える分だけを入れてください。
家族の分や、複数の病院の分は合算できますか
1回分の窓口負担では上限額を超えなくても、複数の受診や、同じ医療保険に入っている家族の受診の自己負担を1か月単位で合算できます(世帯合算)。ただし69歳以下の受診は、1か月の自己負担が2万1千円以上のものだけが合算されます(医療機関ごとの請求書〈レセプト〉1枚あたり)。このツールは1つの医療費の総額で計算するので、合算の計算はしません。
国民健康保険や70歳以上の場合は
国民健康保険は、標準報酬月額ではなく所得(旧ただし書き所得)で区分が決まります。70歳以上は外来の上限など別の仕組みがあります。このツールは健康保険(会社員など)の70歳未満の人を対象にしています。
注意事項
- このツールの結果は目安です。実際の支給額は、加入している健康保険(協会けんぽ・健康保険組合など)が、医療機関からの請求をもとに決めます。
- 窓口負担は「医療費の総額 × 負担割合」で計算した目安です。実際の窓口負担とは数円違うことがあります。
- 2026年8月〜2027年7月の額で計算します。2026年7月以前の診療分は、見直し前の額が使われます。
- 支給の申請や限度額適用認定証については、加入している健康保険にお問い合わせください。
用語
- 自己負担限度額: 1か月に自分で負担する医療費の上限。年齢と所得区分で決まります。
- 標準報酬月額: 健康保険の保険料や給付の計算に使う、給与を区切りのよい額に当てはめたもの。
- 多数回該当: 直近12か月に高額療養費に該当した月が3か月以上ある場合、4か月目からの上限額がさらに下がる仕組み。
- 年間上限: 8月から翌年7月までの自己負担の合計の上限。2026年8月に新しくできました。
出典
- 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」(更新日 2026年7月31日。2026年10月20日確認)
- 厚生労働省「高額療養費制度の概要」(患者負担割合及び高額療養費自己負担限度額)(日付の記載なし。2026年10月20日確認)
- 協会けんぽ「【制度改正】令和8年8月から高額療養費制度が見直されます」(更新日の記載なし。2026年10月20日確認)
- 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)」(制度のしくみ・世帯合算・対象にならない費用の説明に使用。金額は古い版のため使っていません。2026年10月20日確認)
- 厚生労働省「高額療養費制度の見直しについて」(年間上限・多数回該当の考え方。日付の記載なし。2026年10月20日確認)
- 健康保険法施行令 第42条(e-Gov 法令検索)(1%の部分の端数処理。2026年10月20日確認)