年金の繰上げ・繰下げの計算
老齢年金を60歳から75歳までのどこから受け取り始めるかで、年金額がいくら減る(繰上げ)・増える(繰下げ)かを月単位で計算します。65歳から受け取った場合と、受け取った額の合計が並ぶ年齢も出します。
最終確認: 2026年10月20日
繰上げ・繰下げとは
老齢基礎年金と老齢厚生年金は、原則として65歳から受け取ります。希望すれば60歳から65歳になるまでの間に早めて(繰上げ)受け取ることも、66歳から75歳までの間に遅らせて(繰下げ)受け取ることもできます。早めると1か月ごとに年金が減り、遅らせると1か月ごとに増えます。決まった減額率・増額率は一生変わりません。
減る率・増える率
- 繰上げ: 1か月早めるごとに0.4%減ります(60歳0か月で最大24%)。昭和37年4月1日以前生まれの人は0.5%(最大30%)です。
- 繰下げ: 1か月遅らせるごとに0.7%増えます(75歳0か月で最大84%)。75歳を過ぎてから請求しても、増える率は84%のままです。
| 開始(0か月) | 率 | 年額(年200万円の人) |
|---|---|---|
| 60歳 | −24.0% | 152万円 |
| 62歳 | −14.4% | 171.2万円 |
| 64歳 | −4.8% | 190.4万円 |
| 65歳 | 0% | 200万円 |
| 66歳 | +8.4% | 216.8万円 |
| 68歳 | +25.2% | 250.4万円 |
| 70歳 | +42.0% | 284万円 |
| 72歳 | +58.8% | 317.6万円 |
| 75歳 | +84.0% | 368万円 |
65歳から受け取った場合と、合計が並ぶのはいつ?
受け取った額の合計(額面)で比べると、次の年齢で65歳から受け取った場合と並びます。
- 60歳0か月から繰上げ: 80歳10か月ごろ。これより長く生きると、65歳から受け取ったほうが合計は多くなります。
- 70歳0か月から繰下げ: 81歳11か月ごろ。これより長く生きると、繰下げたほうが合計は多くなります。
- 75歳0か月から繰下げ: 86歳11か月ごろ。
繰上げでは、早めた月数を S、合計の減る率(0.4% × S)を R とすると、65歳から「S ×(1−R)÷ R」か月後に並びます(0.4%の人は、受け取り始めてから250か月=20年10か月後)。繰下げでは、受け取り始めてから「1 ÷ 0.7%」≒143か月(約11年11か月)後に並び、何歳から始めても同じです。
この比較は額面だけです。税金・社会保険料(年金が増えると増えることがあります)、繰下げを待つ間に働いて年金が止められる分、加給年金は入れていません。どちらが得かは、健康状態や働き方、家族の年金によって変わります。
計算式の詳細
繰上げの減額率 =
0.4% × 早めた月数(最大24%)
繰下げの増額率 =
0.7% × 遅らせた月数(最大84%)
受け取る年額 =
65歳からの年額 ×(1 ∓ 率)
減額・増額の対象は、老齢基礎年金(振替加算額を除く)と老齢厚生年金(加給年金額を除く)です。月数は、繰上げは請求した月から65歳に達する日の前月まで、繰下げは65歳に達した月から申出をした月の前月までで数えます。このツールは「受け取り始める年齢(歳・か月)」から、日本年金機構の早見表と同じ形で月数を数えます。
年額の1円未満は、目安として四捨五入して表示します。
用語
- 繰上げ受給: 65歳より前(60歳〜64歳11か月)から、減額された年金を受け取ること。
- 繰下げ受給: 66歳以後75歳までの間で、増額された年金を受け取り始めること。
- 減額率・増額率: 早めた・遅らせた月数で決まる率。一生変わりません。
- 65歳に達する日: 65歳の誕生日の前日(年齢計算に関する法律)。4月1日生まれの人は3月31日です。
- 加給年金額・振替加算額: 配偶者などがいる場合に加算される額。繰下げても増えません。
よくある質問
老齢基礎年金だけ繰下げることはできますか
繰下げは、老齢基礎年金と老齢厚生年金を別々にできます。片方だけ繰下げたいときは、繰下げるほうの年額だけを入れ、もう片方を空欄にして計算してください。繰上げは、原則として老齢基礎年金と老齢厚生年金を同時に請求する必要があります。
繰上げをやめることはできますか
繰上げを請求した後に取り消すことはできません。減った額で一生受け取ることになります。ほかにも、国民年金の任意加入や保険料の追納ができなくなる、障害年金を請求できなくなる場合があるなどの注意点があります。請求の前に年金事務所で確かめてください。
働きながら繰下げを待つと、全額が増えますか
65歳以後に厚生年金に入って働いた期間がある場合、在職老齢年金の仕組みで止められる額に当たる部分は、繰下げても増えません。給与が高い人は、増える額がこのツールの結果より少なくなります。止められる額は在職老齢年金の計算で確かめられます。
加給年金はどうなりますか
加給年金額や振替加算額は繰下げても増えません。また、繰下げを待っている間(年金を受け取っていない間)は、加給年金額や振替加算を受け取れません。
繰上げると、いつから受け取れますか
繰上げを請求すると、請求した日の翌月分から年金が支給されます。
70歳を過ぎてから、65歳からの分をまとめて受け取るとどうなりますか
70歳に達した日の後に、繰下げをせず65歳からの本来の年金をさかのぼって受け取ることを選ぶと、請求の5年前の日に繰下げの申出があったものとみなして増額された年金を一括で受け取ります(特例的な繰下げみなし増額制度)。80歳以後に請求する場合などは適用されません。過去分を一括で受け取ると、医療保険・介護保険の自己負担や保険料、税金などに影響することがあります。このツールはこの制度の計算はしません。
65歳1か月〜11か月から受け取ることはできますか
繰下げで受け取り始められるのは66歳以後75歳までの間です。65歳1か月〜11か月から受け取り始める場合の扱いは、年金事務所で確かめてください。このツールは、65歳0か月・繰上げ(60歳〜64歳11か月)・繰下げ(66歳〜75歳)だけを計算します。
注意事項
- このツールの結果は目安です。実際の年金額は日本年金機構の決定によります。繰上げ・繰下げを決める前に、年金事務所やねんきんネットで見込み額を確かめてください。
- 特別支給の老齢厚生年金を受け取れる人の繰上げ(一部繰上げ)、共済組合などの年金、遺族年金・障害年金を受け取る権利がある人の繰下げは、このツールでは扱っていません。
- 昭和27年4月1日以前生まれの人・平成29年3月31日以前に老齢年金を受け取る権利ができた人(繰下げの上限は70歳)は対象外です。
- 65歳を過ぎてから年金を受け取る権利ができた人は、増える率の月数を権利ができた月から数えるので、このツールの結果とは違います。
出典
- 日本年金機構「年金の繰上げ受給」(2024年8月19日更新)
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」(2026年8月12日更新)
- 日本年金機構「繰上げ減額率早見表(昭和37年4月2日以降生まれの方)」(PDF。2026年10月20日確認)
- 日本年金機構「繰上げ減額率早見表(昭和37年4月1日以前生まれの方)」(PDF。2026年10月20日確認)
- 日本年金機構「繰下げ増額率早見表(詳細版)」(PDF。2026年10月20日確認)
- 日本年金機構「老齢年金ガイド 令和8年度版」(PDF。2026年10月20日確認)