高年齢求職者給付金の計算(65歳以上の失業保険はいくら?2026年8月〜)

65歳以上で会社を辞めた人が雇用保険から受け取るのは、失業手当(基本手当)ではなく「高年齢求職者給付金」です。基本手当日額の30日分か50日分を1回で受け取る一時金で、その額の目安を計算します。

最終確認: 2026年10月21日

月給を入れると、ここに高年齢求職者給付金の目安が出ます。

高年齢求職者給付金とは?65歳以上の失業保険(失業手当)との違い

65歳以上の雇用保険の被保険者(高年齢被保険者)が離職し、働く意思と能力があるのに仕事が見つからないときに、ハローワークで求職の申し込みをすると受け取れる給付です。65歳未満の人の失業手当(基本手当)は何回かの失業の認定に分けて支給されますが、高年齢求職者給付金は失業の認定が1回だけで、認定の日に支給が決まる一時金です。

受け取るには、離職の日以前1年間に雇用保険の被保険者期間が通算して6か月以上必要です。額は、雇用保険に入っていた期間(被保険者であった期間)が1年以上なら基本手当日額の50日分、1年未満なら30日分です。離職の理由で日数は変わりません。

上限はいくら?2026年8月1日からの基本手当日額の上限・下限

基本手当日額の上限額・下限額は毎年8月1日に見直されます。65歳以上の人は、上限に30歳未満の人と同じ額が使われます(雇用保険法 第37条の4第2項)。2026年8月1日からは次のとおり引き上げられました。

項目変更前 → 2026年8月1日から
基本手当日額の上限(65歳以上)7,255円 → 7,450円
基本手当日額の下限(全年齢)2,411円 → 2,562円
50日分の上限362,750円 → 372,500円

出典: 厚生労働省「雇用保険の基本手当日額の変更 ~8月1日(土)から実施~」(2026年7月31日公表・2026年10月21日確認)。50日分は当サイトの計算です。

月給別にいくら?計算例(2026年8月1日以降の離職)

月給日額50日分30日分
15万円4,000円200,000円120,000円
20万円5,037円251,850円151,110円
30万円6,307円315,350円189,210円
45万円〜7,450円372,500円223,500円

日額=基本手当日額。50日分は被保険者であった期間が1年以上、30日分は1年未満の場合です。月給 × 6 ÷ 180 を賃金日額として計算した目安で、月給45万円以上は賃金日額が上限の14,900円を超えるため、日額は上限の7,450円です。

64歳と65歳で辞めると失業保険はどう違う?

64歳(65歳になる前)に辞めると失業手当(基本手当。一般の離職者は被保険者であった期間に応じて90〜150日分を、何回かの失業の認定に分けて受け取る)、65歳以上で辞めると高年齢求職者給付金(30日分・50日分の一時金)になります。ただし、65歳になるまでの老齢年金(特別支給の老齢厚生年金など)は、ハローワークで求職の申し込みをした月の翌月から、失業給付の受給期間が過ぎた月(または所定給付日数を受け終わった月)まで、全額が止まります(基本手当を受けていない月の分は、3か月程度後に支給されます)。

雇用保険の額だけを比べると、日数の多い基本手当のほうが総額は多くなりやすく、このページの結果にも参考の額を出します。一方で日本年金機構は「特別支給の老齢厚生年金などの65歳になるまでの老齢年金と雇用保険の失業給付は同時には受けられません」と説明しています。65歳になる前の年金を受け取っている人は、年金の額も含めて比べる必要があります。個別の判断は年金事務所とハローワークにご確認ください。

計算式の詳細

1. 賃金日額

賃金日額 = 離職前6か月に毎月きまって支払われた賃金の合計 ÷ 180

賞与や臨時の賃金は含みません。このツールでは「月給の平均 × 6 ÷ 180」で計算します。賃金日額の下限は3,203円、65歳以上の上限は14,900円(30歳未満の人と同じ額)です。

2. 基本手当日額(w=賃金日額、y=基本手当日額)

賃金日額基本手当日額
3,203円以上 5,480円未満y = 0.8w
5,480円以上 13,490円以下y = 0.8w − 0.3 ×(w − 5,480)÷ 8,010 × w
13,490円超 14,900円以下y = 0.5w
14,900円を超える7,450円(上限額)

1円未満は切り捨てます。60〜64歳の人に使われる「45%まで下がる」計算(雇用保険法 第16条第2項)は、離職の日に60歳以上65歳未満の人だけが対象で、65歳以上には使われません。

3. 給付金の額

高年齢求職者給付金 = 基本手当日額 ×(1年以上 50日、1年未満 30日)

ただし、失業の認定の日から受給期限までの日数が50日(30日)に満たないときは、その日数分になります(第37条の4第1項)。

計算例(厚生労働省の資料の例)

日額は厚生労働省の報道発表とリーフレットの例(60歳未満・29歳の例)と同じ式・同じ上限で計算した値です。50日分は当サイトの計算です。

いつ受け取れる?手続きの流れと受給期限

  1. 離職後、住所を管轄するハローワークで離職票を出し、求職の申し込みをする
  2. 失業している日が通算7日(待期)たつまでは支給されない
  3. 正当な理由のない自己都合の離職は、待期のあとさらに給付制限(離職日が2025年4月1日以降なら原則1か月)
  4. 指定された日に失業の認定を1回受け、認定の日に支給が決まる

手続きと認定は、離職の日の翌日から起算して1年を経過する日まで(受給期限)に済ませる必要があります。期限が近いと、認定の日から期限までの日数分しか受け取れません。

よくある質問

年金を受け取りながら、高年齢求職者給付金も受け取れますか

日本年金機構の説明で失業給付と調整される(止まる)とされているのは「65歳になるまでの老齢年金」です。65歳以上で受け取る老齢年金との調整は、同じ説明には書かれていません。ご自身の年金の扱いは年金事務所にご確認ください。

税金はかかりますか

雇用保険法 第12条で、失業等給付として受け取ったお金には税金などをかけられないと定められています。高年齢求職者給付金も失業等給付(求職者給付)の1つなので、所得税・住民税はかかりません。

転職したり、前にも受け取ったりしています。期間はどう数えますか

「1年以上か未満か」の期間は、基本手当の算定基礎期間と同じ数え方です(雇用保険法 第37条の4第3項・第4項で第22条第3項を当てはめる)。前の会社で被保険者でなくなった日から次に被保険者になった日までが1年を超えて空いた場合、その前の期間は通算されません。前に高年齢求職者給付金や基本手当を受け取った場合も、その前の期間は通算されません。ほかにも除かれる期間があるので、詳しくはハローワークにご確認ください。

日給・時給で働いていた場合は

日給・時給・出来高払いの場合は、賃金日額に最低保障の計算(賃金の総額 ÷ 労働日数 × 70% など)があり、このツールの結果と違うことがあります。

注意事項

2026年に変わったほかの制度(在職老齢年金・子ども・子育て支援金・高額療養費・基礎控除)は 2026年(令和8年)の制度改正まとめ にまとめています。

用語

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